2022年 あけましておめでとうございます

住職より

2021年もコロナに始まりコロナに終わりました。西念寺の各行事も縮小せざるを得ない状況で皆さまにはご不便お掛けしました。そのような中にもかかわらず、多大なご協力いただきありがとうございます。

撮影 Y.H.編集委員

さて、恒例の日本漢字能力検定協会主催の「今年の漢字」。投票で選ばれた2021年の漢字は「金」でした。僅差の二位が五輪の「輪」ですから「金」は金メダルのことでしょう。「金」が選ばれるのはシドニー五輪の2000年、ロンドン五輪の12年、リオデジャネイロ五輪16年に続いて4度目。今までにこんなに選ばれた漢字は「金」だけです。オリンピックの金メダルがいかに人々の記憶に残りやすいかを表していると言えるでしょう。

日本漢字検定協会による公募により、2021年の世相を象徴する漢字として選ばれました

金メダルと聞くと、白熱した競技と勝利して喜ぶ姿、インタビューでの笑顔と発せられる言葉などが思い出されます。そこには曇りのない笑顔があります。笑顔の後ろには、苦しかったことやつらかったことも含めて、そこに至るまでのさまざまなことがあることでしょう。もちろん頑張り続けてきたのは金メダルを取った選手ばかりではありません。

金メダルの記憶が深く心に刻まれるのは、応援している人が勝つという喜びとともに、私たちの中にも、それが競うものでなかったとしても、報われたいというか、何かを成し遂げたい、満足できる生き方をしていきたいという願いがあるからかもしれません。

たとえつらいことも多かったとしても、生まれてきてよかったと思いたい。そのために、心のどこかで自分にとって本当にしたいこと、本当に尊いことを求めているのでしょう。しかし、自分が本当だと思っているもの、良いと思っていたことが、はたして本当にそうなのか自信が持てなくなる時があるのも事実ではないでしょうか。

ご本尊(浄土真宗のご本尊は南無阿弥陀仏ですね)とは、「本当に尊い」という意味になります。仏教とは本当に尊いことを伝える教えです。新型コロナの影響を受けてから2年が経ちましたが、いまだ先行きの見通せない日々が続いております。西念寺としては感染防止に努めながら、皆さまの聞法の場所となれるよう、その時々で寺としてできることを、行っていきたく思っております。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。