2021年 あけましておめでとうございます

住職より

常に新型コロナウィルスを意識し続けた2020年。“密”が2020年の漢字になると、1年前に予想できた人は誰もいなかったと思われます。流行語大賞になった“三密”を含め、春先からずっと聞き続け、意識し続けた言葉になりました。皆さんにとっても、予想外のことが起こり、ご自身やご家族、職場の人を守ろうと苦心された1年だったのではないでしょうか。

先の見えない不安の中で、社会全体が余裕を無くし、感染対策が不十分に見える方への攻撃や、感染した方への差別など、人間の悲しい一面も表面化しました。

個人的には、“関わる”ということについて、考えさせられた年となりました。常にソーシャルディスタンスを意識したり、会いたくても気軽に会えない状況の中で、私たちはつながりを求める存在なのだと、改めて実感しました。

リモート会議やリモート授業などを体験された方もいらっしゃったことでしょう。リモートでの交流は、便利ではあるものの、初対面の方とは打ち解けるのに時間がかかったり、相手に質問は出来ても相談はしにくいといった経験を通して、実際に会えることの大切さやありがたさを再認識しました。

しかし、直接会えていれば、いつも良い関わりができているのかと言えば、少なくとも私にとっては、そうとも言い切れないと認めざるを得ません。目の前にいてくださっている方々と、本当に向き合えていたのか、相手を尊重できていたのかと見つめ直してみると、自分の見られたくない部分を隠し、都合の良い部分だけで関わろうとしていることが多々ありました。

それを反省し改善しようとするだけではなく、「そのよう振る舞う私は一体どのような存在なのか」と考えていくことが、大切であると感じています。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。コロナの収束を願いつつ、このような状況でこそ寺にできることを模索していきたいと思っております。(住職)