<みんなのひとこと>『ソウイウモノニ ワタシハナリタイ』
<みんなのひとこと>『ソウイウモノニ ワタシハナリタイ』
野田市 M様より
宮沢賢治の【雨ニモマケズ】という詩に、
『雨ニモマケズ 風ニモマケズ (中略)
ホメラレモセズ クニモセズ
ソウイウモノニ ワタシハナリタイ』
とある。
最近、そんな人生に、『ワタシハナリタイ』と思うことがあった。

それは、我が家の設置後30年を超えたエアコンの交換時の出来ごとでした。超長生きで稼働中ではあったが、一般的に、使用平均年数は14年程度で設置から10年が交換時期と言われるなかでは、いつ突然故障しても不思議ではありません。近年の異常気象を経験すると、猛暑時に突然故障でもした場合のことが心配でしたので、そんな事態にはならないように、使用開始シーズン前の昨年3月に交換することを決めて、新築時に設置してくれたメーカー代理店に依頼しました。
ところが、交換工事が完了したのは、今年の5月で、依頼から1年以上も経ったのです。交換の緊急性はないながらも、完了に向けて先に進める為に時々電話をすると、「どうもすみません、すっかり忘れてしまいました。忘れていたら遠慮しないで催促の電話をください」と、毎回応答はありました。
そうこうするうちに、今年も使用開始シーズンに近くなってきたので、3月になって久しぶりに「我が家の工事の件、くれぐれもお忘れ無きように、宜しくお願いします!」とさりげなく催促し、ようやく5月に交換完了となった。長いやり取りの中で、この方の人となりが少しずつ分かりつつあったので、こちらから催促するときには、不満を滲ませたりしないで、「忘れないで宜しく!」とだけ伝えてきた。
そして、ようやく工事の段となった。我が家の交換エアコンは、天井や壁埋め込み型のとても古いエアコンだったので、取り付け調整用部品を付属しないと、既存枠の寸法が新型とは合わず取り付けられない。この対応に、担当者は少しでも安価になるように、現場合わせの手作り部品を無料で作って対処してくれた。何回も寸法取りをしながら、数日、行ったり来たりしての工事完了であったが、仕上がりは良く、すっきりと収まった。

工事完了とご厚意による無料作業についてのお礼を申し上げたところ、帰路の途中でメッセージが届いた。「先ほどはありがとうございました。何か問題が起きたら遠慮なく電話下さい。お世話になりました」とあった。
1年を超える長きやり取りになってしまったが、思い起こせば、この方とは今まで経験したことがない特別な思いの交信であった。携帯電話を肌身離さず持っていないと不安になるご時世、「電話の約束をすぐに忘れ、対応は時々途絶えるも、作業はしっかりと質良く終わらせる。過程の停滞があっても “キニモセズ、クニモセズ”、キャッチアップは顧客からの催促に委ねる」
それでも、顧客からは信頼される、誠に不思議な方であった。私も、そういうものになってみたいな、と思った。



